技術とか戦略とか

IT技術者が技術や戦略について書くブログです。

戦略

統計データを読み取る際に注意するべきこと

物事を定量的に語る上で、統計データは大きな武器になります。しかし、この統計データが正確に計測されたもの、かつ作為的に計測されていないものであるとしても、解釈次第で誤った結論に至ってしまうことがあります。 この記事では、誤った結論に至ってしま…

ディベートから学ぶ案の検討の方法

仕事をする上では、システムの計画や設計等で案を検討することがあります。検討する際に、ディベートの考え方を用いると、肯定・否定に偏ることなく案を検討しやすくなります。 この記事では、案を検討する上で参考になるディベートの考え方を簡単に説明した…

ゲーム理論を現実世界へ適用するにあたっての問題点

この記事は「ゲーム理論:物事をゲームとして正しく認識するための方針」を焼き直したものです。 ---- ゲーム理論は話だけ聞くと簡単そうに見えますが、実際に適用しようとするとある壁にぶつかります。その壁とは、「適用対象をゲームとして正しく認識する…

ニーズとウォンツを意識することの重要性

「ニーズ」「ウォンツ」とはマーケティング用語であり、人間が何かを求める時の行動を分類したものです。それぞれ、以下の意味で使われます。ニーズ …生活を送る上で感じる満ち足りない状態ウォンツ…ニーズを満たすための具体的な手段 例えば、「本棚を作る…

自社のポジションを考える思考フレームワーク「ポーターの3つの基本戦略」「コトラーの競争戦略」

自社サービスを展開しているIT企業では、自社のサービス展開に関する戦略を練る必要があります。優れた戦略を作る上では、それぞれ異なった立場や知見を持つ関係者が集まって、関係者間で思考をまとめるのが有効です。そして、思考をまとめるのをサポートす…

自社を中心に外部環境を俯瞰する思考フレームワーク「SWOT分析」「3C分析」

自社サービスを展開しているIT企業では、自社のサービス展開に関する戦略を練る必要があります。優れた戦略を作る上では、それぞれ異なった立場や知見を持つ関係者が集まって、関係者間で思考をまとめるのが有効です。そして、思考をまとめるのをサポートす…

マニュアル対応にならないようにするために心がけるべきこと

サービス提供者、特に接客業では、「マニュアル対応」が批判されることがあります。「マニュアル対応」が批判される理由としては、以下の二点の理由により顧客の期待通りのサービスを行えない可能性があるからだと思っています。 ・マニュアルはサービス提供…

モチベーションを高める目標を作るのに必要な三者に対する視点

あくまでも私の経験に基づく持論ですが、モチベーションを高める目標を作るには、「自分」と「身近な人」と「社会」の三者に目を向ける必要があると思っています。巷では目標管理制度や三年目研修のようなものが流行っていますが、この三者に目を向けようと…

7payの脆弱性残存の原因の考察(形式的チェックの問題点、集団浅慮の問題点)

(2019/07/13に一部表現を見直しました。内容は変えていません。) ニュースでも大々的に取り上げられていますが、7payがサービスイン直後にセキュリティ上の脆弱性を突かれて不正利用されてしまいました。第三者のログインを許し、クレジットカードから7payへ…

戦略を学ぶ上でのゲームの有用性

戦略の考察が私の趣味なのですが、戦略的思考の有用性を他の人に伝えるにはどうすれば良いのか、ということを最近考えています。座学も既存のゲームから学ぶのも限界がある、戦略的思考を伝えるためのゲームを制作するのが一番良いのではないか、というのが…

プレイヤーの強さを測る基準のまとめ

利得の数値化に関連する話として、プレイヤーの強さを測る基準について色々とまとめてみました。プレイヤーの強さを図る基準としてどのような基準を採用しているかによって、「与えられた時間の中で如何に正確に強さを測るか」という合理性や、「何をもって…

未知の問題(ゲーム)の解決法を導き出す際の視点

今回は、未知の問題(ゲーム)の解決法を導き出す際の視点について、一般論を書こうと思います。以前の記事で麻雀を分析しましたが、それを一般化したものとなります。 分析する際には、以下の手順で分析を行うのが有効です。 1.制約条件の確認 未知の問題…

レトログレード解析とは-最終局面から順番に解析し簡単な問題を解く手法-

レトログレード解析(後退解析、バックトラック)とは、最終局面から順番に解析することで最善手を探る手法です。状態の数がコンピュータで数え上げられる程度である場合に有効な手法であり、簡単な問題(ゲーム)であればこの手法で完全解析が可能です。 研…

ブレーンストーミングの問題点と代替案

グループでアイデアを出すための代表的な手法と言えば「ブレーンストーミング」ですが、私の経験上、これは上手く機能しないことが多いです。もう少し正確に言うと、かけた時間に対するアウトプットが少ないように感じます。 これは研究によっても裏付けられ…

時期の分散投資-ドルコスト平均法-

以前にブログで分散投資(https://akira2kun.hatenablog.com/entry/2019/01/12/181919)について述べましたが、以前の記事で触れなかった考え方として、投資する時期を分散させるという考え方もあります。ある時期に一気に投資を行うのではなく、一定の間隔…

リスクを抑える分散投資の考え方

自分自身は投資らしい投資はあまりしていないのですが、職業柄ある程度の知識はあります。戦略を考える上で参考になる考え方も少なくないので、他分野への応用が効きそうな汎用的な話を中心に紹介していこうと思います。今回は、分散投資の考え方について紹…

人間のカンが持つ利点と問題点

AI全盛の今においても、人間のカンというものは侮れないものです。 単純な状況で100%正しい結論を素早く導く、ということにおいては人間よりもコンピュータの方が優秀です。人間のカンは、曖昧な状況である程度妥当性のある結論を素早く導くことができる、…

ゲーム理論(二人・二択)の混合戦略の確率を求める

ゲーム理論についてはこちらの記事で触れています。 情報処理技術者試験対策「ゲーム理論」 https://akira2kun.hatenablog.com/entry/2018/07/10/234859 上記の記事では、「混合戦略」にも触れています。混合戦略は、何度も同じゲームを繰り返す場合において…

戦略考察を行う上でのゲーム評論の考え方の有用性

完全に趣味の話になりますが、ゲーム評論の話です。私の趣味は戦略の考察なのですが、ゲーム評論の視点は戦略考察の幅を広げるのに役立ちます。 中でも参考になったのはGameDeep様の考察です。 GameDeep http://gamedeep.niu.ne.jp/ ゲーム評論の世界では、…

普通の人・普通の企業の生き残る道まとめ

普通の人はプロスポーツ選手のような卓越した技術力があるわけではないですし、普通の企業にはGAFAのような世界を変える技術があるわけではありません。そんな普通の人や普通の企業が、特別な人や特別な企業に負けずに市場で生き残るための道を完結にまとめ…

ダイバーシティのメリットとデメリット

日本でダイバーシティという言葉が使われる場合は、「女性や障害者にとって働きやすい環境を提供して人手不足に対応する」という意味合いで使われる場合が多いと思います。 しかし、ダイバーシティの本質は、「多様な従業員を雇い、変化できる企業を目指す」…

戦略提案:わくわく感への値付け

平日の限られた時間で更新できるネタがないので、Facebookの投稿からネタを引っ張り出してきました。おもちゃ屋(例:トイザらス)がAmazonに対抗する手段として、おもちゃを手に取るわくわく感に値付けをすることが有効ではないのだろうか、という提案です…

ゲーム理論:物事をゲームとして正しく認識するための方針

ゲーム理論は話だけ聞くと簡単そうに見えますが、実際に適用しようとすると色々な壁にぶつかります。一番最初に必ずぶつかる壁として、適用対象をゲームとして正しく認識することが困難という壁があります。この認識が誤っていると、ゲーム木や利得表を正し…

行動経済学の用語を1行ずつまとめる記事

行動経済学とは、人間の合理的ではない判断を研究する学問です。人間の行動を予測したり、人間の癖を把握して合理的な判断をしたりするために広く使われる学問です。今回の記事では、行動経済学の用語(概念、知見)を厳選し、1行ずつまとめます。どのよう…

利得を代表する評価値の選定方法

ゲーム理論で分析する際、利得をどのように数値化するかが問題となります。「勝率」や「金額」といった、数値化された絶対的な基準で利得を求めるのが理想ですが、ごく簡単な状況でない限りこのような形で正確に利得を求めることはできず、多くの場合は主観…

麻雀未経験者が麻雀の戦略を分析してみた

会社で麻雀をプレイする方が何名かいらっしゃるようなので、麻雀における戦略を分析してみました。ちなみに、私はこの記事を書くまで麻雀のルールも知りませんでした。ルールの確認も、入門サイトを1時間眺めただけです。というわけで、あくまでも一般論か…

ゲーム情報学の紹介

2013年に表題のテーマでパワポを作っていたのですが公開することができないので、当時のパワポをベースに新たに記事を起こします。 合理的な意思決定を実現する上で役に立つ学問分野の紹介です。 【ゲーム情報学の意義】 ゲーム情報学とは、情報学の知識をゲ…

情報処理技術者試験対策「PEST分析」

今回は「PEST分析」について説明します。 PEST分析とは、ビジネス環境についてマクロ的な視点で分析する手法となります。以前に「3C分析」や「SWOT分析」等の市場分析の手法に触れましたが、PEST分析はその前提となる環境を分析する手法です。 「PEST」とは…

情報処理技術者試験対策「マスマーケティングとワントゥワンマーケティング」

今回は「マスマーケティング」と「ワントゥワンマーケティング」について説明します。 この2つの用語について、簡単に説明すると下記の通りです。 マスマーケティング同種の商品を大量生産することで、商品1個あたりの生産コストを下げ、安価での提供が可…

情報処理技術者試験対策「顧客セグメンテーション分析」

今回は「顧客セグメンテーション分析」について説明します。 これは、顧客像を、年齢別・性別・地域別・職業別…等の層に分類し、各層毎で市場分析(需要分析、競合分析等)を行うことで、どの層に対してどのような価値を提供するのかを戦略として考えるとい…