技術とか戦略とか

証券レガシーシステムを8年いじってから転職した普通の文系SEによるブログ。技術のみではなく趣味の戦略考察についても。

人間のカンが持つ利点と問題点

AI全盛の今においても、人間のカンというものは侮れないものです。
 
単純な状況で100%正しい結論を素早く導く、ということにおいては人間よりもコンピュータの方が優秀です。
人間のカンは、曖昧な状況である程度妥当性のある結論を素早く導くことができる、という意味で優秀です。
将棋のトップ棋士は、複雑な中盤の状況でも、次に指す手の候補を2~3つにすぐに絞り込むことができます。
これは近年のAIでもなかなか真似できるものではありません。
(手元に文献がないので、裏付けとなる数値は出せないのですが)
 
将棋のAIは発展を続け、ついにトップ棋士をも上回る強さを身に付けました。
しかし、将棋は
・ルールと勝利条件が明確である
・プレイヤーは二人のみである
・どちらかが勝ちどちらかが負ける(winwinという概念がない)
・ゲーム上で示される選択肢を新たに生み出せない
・ゲーム上で示される選択肢が具体的であり、数え上げられる
・相手が持つ選択肢を把握することができる
・乱数等の不確定な要素がない
・プレイヤーは個人である(チーム戦ではない)
という特徴があり、ゲームとしては単純な部類に入ります。
このような単純なゲームであっても、数十年の間トップ棋士はAIよりも強かったのです。
数十年の研究の末に将棋で人間がAIに負けた、しかしそれまでは負けなかった、という事実は、人間のカンの限界を示しつつも、人間のカンの優秀さも示しています。
 
仕事では、人間のカンがあらゆる場面で使われています。
仕事でよく「職人技」と呼ばれることがありますが、これは人間のカンが成せる業です。
例えば、企業が行うセキュリティ診断では、脆弱性診断ツールを使いつつも、経験豊富なセキュリティの専門家が判断を行うことで、短時間でセキュリティの問題点を洗い出すことができます。
また、ソフトウェア開発手法の一つである「アジャイル開発」では、直感に基づいたスピーディな判断が推奨されています。
 
しかし、人間のカンを用いた判断には、ある種の誤りが生じやすいという問題があります。
例えば、「利得よりも損失の方が強く感じやすい」「生起確率が低い事象を過大評価し、生起確率が高い事象を過小評価する」等です。
これについては、行動経済学という分野の学問でまとめられています。
どのような誤りが生じやすいのかを知ることができるので、人間のカンの誤りに対する対策も立てやすくなります。
私のブログでは、以下の記事に簡単にまとめています。
本当に簡単にしかまとめていないので、気になる項目があれば自力で調べてみることをお勧めします。
 
行動経済学の用語を1行ずつまとめる記事

https://akira2kun.hatenablog.com/entry/2018/08/08/000720