技術とか戦略とか

SIerで証券レガシーシステムを8年いじってからSESに転職した業務系エンジニアによる技術ブログ。

自社のポジションを考える思考フレームワーク「ポーターの3つの基本戦略」「コトラーの競争戦略」

自社サービスを展開しているIT企業では、自社のサービス展開に関する戦略を練る必要があります。
優れた戦略を作る上では、それぞれ異なった立場や知見を持つ関係者が集まって、関係者間で思考をまとめるのが有効です。
そして、思考をまとめるのをサポートする手段として、思考フレームワークが数多く発表されています。
 
自社を中心に外部環境を俯瞰するのに適した思考フレームワークとしては「SWOT分析」や「3C分析」といったものがあります。
今回の記事では、外部環境を俯瞰した上で、自社が取るべき戦略を考えるのに適した思考フレームワークである「ポーターの3つの基本戦略」と「コトラーの競争戦略」の2つを挙げていこうと思います。
 
例として、日本に実在するハンバーガーショップを挙げていきます。
(この記事は、思考フレームワークをわかりやすく解説するもので、ハンバーガーショップの具体的な戦略を考察するものではないので、それをご理解された上で記事を参照してください)
 
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【ポーターの3つの基本戦略】
ポーターが提唱した戦略の分類であり、ターゲットが広いか狭いか、他者より低いコストで勝負するか特異性で勝負するか、により、以下の3つの戦略に分ける、というものです。
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どの戦略を採用するかは、市場分析の結果から判断します。
 
例を挙げると、各々の企業の戦略を以下のように分類することができます。
 
・コストリーダーシップ戦略
マクドナルドが採用する戦略。
手軽に食べられる安い外食に対する需要があり、マクドナルドには低コストを実現するグローバルな生産拠点が存在するため、その需要に答えられる。
 
差別化戦略
モスバーガーが採用する戦略。
美味しくて安全な外食に対する需要があり、モスバーガーには高品質と安全性を実現するプロセスが存在するため、その需要に答えらえる。
 
・集中戦略
地元のハンバーガーショップが採用する戦略。
全国規模・世界規模のプロセスに縛られるチェーン店に比べて小回りが効くため、地元の要望に応えられる独自性のあるハンバーガーを提供できる。
 
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コトラーの競争戦略】
コトラーもポーターと同じように、それぞれの企業が置かれた地位に応じて採るべき戦略を提唱しています。
コトラーは、以下の4つの戦略に分類しています。
 
・リーダ
市場においてナンバー1のシェアを誇る企業。
 
・チャレンジャ
リーダに次ぐシェアを保持し、リーダに競争をしかける2・3番手の企業。
 
・ニッチャ
小さいながらも特定の市場で、独自の地位を築いている企業。
 
・フォロワ
リーダやチャレンジャの戦略を模倣することで、市場での地位を維持している企業。
 
例を挙げると、各々の企業の戦略を以下のように分類することができます。
 
・リーダ
低コストを突き詰めたマクドナルドが該当します。
 
・チャレンジャ
品質と安全性で勝負するモスバーガーが該当します。
なお、業界3番手はロッテリアですが、マクドナルド・モスバーガーと店舗数の上で大きく水をあけられており(マクドナルドの1/6、モスバーガーの1/3程度)、マクドナルドやモスバーガーとは明らかに異なる戦略を採っているわけでもないので、今回は後述の「フォロワ」に分類します。
 
・ニッチャ
地元のハンバーガーショップや、高級ハンバーガーに特化した小規模チェーン店が該当します。
 
・フォロワ
ロッテリアフレッシュネスバーガー等の中規模チェーン店が該当します。
これらの企業は、マクドナルドやモスバーガーと同じように、人が集まる場所に全国規模で出店しています。
また、世界規模の生産拠点を持つマクドナルドの低コストを実現できないため、モスバーガーのように品質で勝負している感があります。
 
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このように戦略を分類すると、自社が取るべき戦略が見えてきます。
例えば、モスバーガーのような企業は、マクドナルドと価格競争になるのは避けるべきであり、品質と安全性で勝負するべきである、というのが見えてきます。
 
自社の戦略を確立する上では、自社のコアコンピタンス(自社独自の強み)が何であるか、何をコアコンピタンスにするべきか、というのを考えるのが重要です。
コアコンピタンスが不明確だと、価格競争に巻き込まれやすくなり、価格を下げられる仕組みがあるわけでもないので、利益(労働者目線で言うと待遇)が圧迫されやすくなります。