技術とか戦略とか

証券レガシーシステムを8年いじってから転職した普通の文系SEによるブログ。技術のみではなく趣味の戦略考察についても。

時期の分散投資-ドルコスト平均法-

以前にブログで分散投資https://akira2kun.hatenablog.com/entry/2019/01/12/181919)について述べましたが、以前の記事で触れなかった考え方として、投資する時期を分散させるという考え方もあります。
ある時期に一気に投資を行うのではなく、一定の間隔で少しずつ投資を行うことで、高値で商品を買ってしまうリスクを抑えようとするものです。
 
分散投資の手法として広まっているものとしては「ドルコスト平均法」という手法があり、流行りの積立投資にも応用されている手法です。
この手法は、1回あたりの投資金額を決めて、1回の時期にその投資金額分の商品を買う、という手法です。
商品の値段が高い時に大量の商品を買うのを避け、商品の値段が安い時に大量の商品を買うことで、商品の1単位あたりのコストを少なくすることができます。ドルコスト平均法は、これを実現するための手法です。
詳しくは以下のページに書かれています。
 
ドル=コスト平均法  三菱UFJ銀行

https://www.bk.mufg.jp/tameru/gaika/hajimeru/katsuyo/dol_cost.html

 
ドルコスト平均法の良い所は、相場勘が全く無くともある程度損失を抑えながら投資ができる所です。
相場勘があり価格変動をある程度読める場合は底値の時だけを狙って購入することもでき、底値を狙うのに成功した場合はドルコスト平均法を使用した場合よりも商品の1単位あたりのコストを少なくすることができます。
しかし、相場勘を身に付けるのにはインプットが必要ですし、読み間違えるリスクもあります。底値を待つことになるので、投資のタイミングを掴みにくいという不便さもあります。
ドルコスト平均法にはこうした問題がありません。それでもって、(上げ下げを繰り返す比較的安定した価格変動をする商品に対しては)1回毎に一定単位の商品を買うのに比べて損失を抑えられるので、誰でもある程度合理的な解を得られるという意味で優れた手法であると言えます。
 
「上げ下げを繰り返す比較的安定した価格変動をする商品に対しては」と但し書きをしたのは、そうではない商品に対してはドルコスト平均法よりも、1回毎に一定単位の商品を買う手法の方が良いからです。
これがドルコスト平均法の本質的な欠点となります。ドルコスト平均法で投資対象とする商品は、ある程度価格変動が安定した商品であるべきです。
 
試しに、現在の値段が100円の商品について、1回の投資で10000円分買う(ドルコスト平均法)のと、1回の投資で100単位買う(便宜的に「非ドルコスト平均法」と名付けます)のを比較してみましょう。
 
【値段が上がり続ける夢の商品であった場合】
その商品は買えば買うだけ利益が出るので、大量購入したもの勝ちになります。
次の時期で商品の値段が20円上がるケースで考えると以下のようになり、どの時期で比較しても非ドルコスト平均法の方が購入量が多いので、非ドルコスト平均法の方が優れています。
 
        ドルコスト平均法  非ドルコスト平均法
1回目(100円)  100単位(10000円)  100単位(10000円)
2回目(120円)   83単位(10000円)  100単位(12000円)
3回目(140円)   71単位(10000円)  100単位(14000円)
4回目(160円)   62単位(10000円)  100単位(16000円)
5回目(180円)   55単位(10000円)  100単位(18000円)
6回目(200円)   50単位(10000円)  100単位(20000円)
合計      421単位(60000円)  600単位(90000円)
 
なお、100円の時に値上がりし続けることが分かっているのであれば、非ドルコスト平均法分散投資するよりも100円の時に60000円で600単位まとめ買いしてしまった方が安く購入できるのでより良いです。
 
【値段が下がり続けるダメな商品であった場合】
その商品の購入代金はまるまる損失となってしまうため、購入はできる限り避けるべきです。
次の時期で商品の値段が20円下がる(最終的に無価値になる)ケースで考えると以下のようになり、非ドルコスト平均法の方が購入代金(=損失)を抑えられます。
 
        ドルコスト平均法  非ドルコスト平均法
1回目(100円)    100単位(10000円) 100単位(10000円)
2回目(80円)     125単位(10000円) 100単位(8000円)
3回目(60円)     166単位(10000円) 100単位(6000円)
4回目(40円)     250単位(10000円) 100単位(4000円)
5回目(20円)     500単位(10000円) 100単位(2000円)
6回目(1円)    10000単位(10000円) 100単位(100円)
合計      11141単位(60000円) 600単位(30100円)
 
なお、100円の時に60000円で600単位まとめ買いしてしまった場合は、ドルコスト平均法と同じ金額の損失を出してしまいます。
ドルコスト平均法は、相場勘が無い状態でも値段が下がり続ける局面での損失をできる限り回避できる分散投資手法であると言うことができ、無価値になるリスクがある商品の購入に適しています。