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情報処理技術者試験対策「クラウドコンピューティング」

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志向を変えて、システム戦略について書こうと思います。
今回はクラウドコンピューティングについて書きます。
クラウドコンピューティングは今流行りのサービス形態の一つであり、ここ2~3年で情報処理技術者試験でもSaaS・PaaS・IaaSの定義を知らないと解けない突っ込んだ問題が出題されるようになりました。
 
クラウドコンピューティングとは、サービス事業者が管理するシステムにインターネットを介して接続することで、目的のサービスを受けるというものです。
月額必要を支払うことで、自社でシステム資源を用意し管理する必要がなくなるというメリットがあります。
可用性等のシステム要件はサービス提供事業者毎に異なり、SLAにより合意します。
世界的に有名なサービスとしては、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azure等が挙げられます。
最近では、実務でもこれらのサービスの名前を耳にすることが多くなってきたかと思います。
 
クラウドコンピューティングのサービス形態は、大きく分けると以下の3つがあります。
(先頭の一文字が何の略かを覚えれば覚えやすいです)

  • SaaS(Software as a Service)
    サービス提供事業者はアプリケーション・ミドルウェア・OS・ハードウェアを提供・管理する。
    利用者はクラウド上のアプリケーションを使用する。
    利用者が管理するものはない。
    利用者はアプリケーションにおける設定可能範囲内でカスタマイズが可能。
  • PaaS(Platform as a Service)
    サービス提供事業者はミドルウェア・OS・ハードウェアを提供・管理する。
    利用者は、クラウド上で用意されたプログラミング言語・ライブラリ・サービス・ツールを使用し、アプリケーションを実装する。
    利用者はアプリケーションを管理する。
    利用者はミドルウェアにおける設定可能範囲内でカスタマイズが可能。
  • IaaS(Infrastructure as a Service)
    サービス提供事業者はOS・ハードウェア、若しくはハードウェアのみを提供・管理する。
    利用者は、クラウド上で用意されたインフラ資源を利用し、システムを構築する。
    利用者はアプリケーション・ミドルウェアを自前で用意・管理し、OSがサービス提供事業者から提供されない場合はOSも用意・管理する。
    利用者はアプリケーション・ミドルウェア・OSに関するコントロール権を持ち、場合によりネットワーク設定も認められた範囲で変更できる。

 
なお、クラウドコンピューティングは、仮想化技術によって支えられています。
仮想化技術とは、1台の物理サーバを複数台の仮想的なサーバに分割し、それぞれに別のOSやアプリケーションソフトを動作させる技術のことです。
1台の物理サーバで複数の仮想サーバをコントロールできるため管理が容易になりますが、1台のサーバに処理が集中し競合も起きるため、サーバの利用率やCPUのオーバヘッドは上昇します。
仮想化を実現する製品は、VMWareデファクトスタンダードとなっています。
仮想化技術も時折出題されるキーワードですし、実務でも関わる可能性が高まっているので、ついでに覚えておくと良いでしょう。