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情報処理技術者試験対策「損益分岐点」

目次

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今回は、会計・財務分野の損益分岐点について説明します。
会計・財務分野は基本的に頑張って暗記するしかないのですが、損益分岐点は概念を理解するのが少し難しいので、当記事で扱うこととしました。
なお、会計・財務の知識は、偉い人になった時に実務でも使うようになるはずです。
 
損益分岐点の前に、以下の用語について説明します。

  • 売上
    製品・サービスを売ることで得られた金額
  • 固定費
    売上に関わらず常に発生する費用
    (例:テナントの使用料)
  • 変動費
    売上に比例して発生する費用
    (例:製品の原価)
  • 費用
    固定費と変動費を合わせた金額
  • 変動費
    売上の内、変動費が占める割合。
    変動費/売上」で算出できる。
  • 損益分岐点
    売上と費用が一致する場合の売上。損失も利益も出ていない状態。
    損益分岐点よりも売上が少なければ損失、多ければ利益が発生する。

売上をx、費用・売上をy、変動費率をa、固定費をbとして表すと、下記図のような関係性になります。
売上は「y=x」、費用は「y=ax+b」という式で表すことができます。

f:id:akira2kun:20180712000143j:plain

損益分岐点の場合は売上と費用が一致するので、以下の式が成り立ちます。
       x = ax + b
  x - ax = b
x(1 - a) = b
 
例えば、売上が700万円の時の変動費が140万円、固定費が500万円の場合、変動費率は以下のようになります。
a = 140 / 700
  = 0.2
損益分岐点の時の売上は以下のように求めることができ、625万円となります。。
x(1 - 0.2) = 500
      0.8x = 500
         x = 625
 
なお、「1 - a」とは、「売上が1単位増えると利益はいくら増えるか」というのを表します。
「1 - a」を式で言い換えると、以下のようになります。
1 - a = 1 - 変動費 / 売上
      = (売上 / 売上) - (変動費 / 売上)
      = (売上 - 変動費) / 売上
売上から変動費を引き、売上で割ったものが、売上が1単位増えた場合の利益の増分になります。
(上記の例では0.8となります。売上が1増えると利益が0.8増加します。)
というわけで、損失分岐点では以下が成り立っているということになります。
売上 * 売上が1単位増えた場合の利益の増分 = 固定費
要は、固定費を回収するためにいくら売り上げれば良いのかを考えれば、損益分岐点を求めることができます。
細かい数式を忘れてしまったとしても、「固定費と変動費の概念」「固定費を回収するのにいくら売り上げれば良いのかという視点」の2点さえ忘れなければ、情報処理技術者の問題はなんとか解くことができます。