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情報処理技術者試験対策「リスクマネジメント」

目次

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今回は、リスクマネジメントについて書きたいと思います。
基本情報ではまず出題されないテーマなのですが、個人的にこういう話は好きなので。すみません。
実務では勘と経験と度胸に基づく判断がされがちなので、実は直接的に使うことは少ないのですが、リスクへの対応を考える際にリスクマネジメントの手法を知っているのと知らないのとでは決断の質に差が出ると思います。
 
そもそも、リスクとは予想される結果が不定であり、良い結果に終わるケースと悪い結果に終わるケースで差がある状態のことを指します。
そのため、悪い結果をもたらす脅威のリスクだけでなく、良い結果をもたらす好機のリスクも存在します。
対応が必要なのは、主に脅威のリスクに対してです。
 
プロジェクトには様々なリスクがあり、優先順位をつけて対応する必要があります。
優先順位を定性的に判断するための手法が、発生確率・影響度マトリックスです。
下記図のように、発生確率と影響度を表にし、発生確率と影響度が共に高いリスクを優先的に対応します。

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定性的に優先順位付けされたリスクに対しては、定量的な判断を行い、具体的にどの程度の損失・利得が発生するのかを数値(金額等)で表現し、意思決定を行います。
定量的な判断を行う手法については、以下のようなものがあります。

  • デシジョンツリー分析
    取り得る対応策と対応策を選んだ結果得られる損失・利得を樹形図にして表現する。
    状況次第で、一つの対応策につき複数の結果に分岐し得るため、どの程度の確率でどの分岐に進むのかも記述する。
  • 感度分析(トルネードチャート)
    各々のリスクについて、最良の結果を始点として最悪の結果を終点とする棒グラフを書き、結果にどの程度のブレが生じ得るのかを数値化・視覚化する。
  • 期待金額価値分析(EMV
    各対応策について、デシジョンツリー分析により各結果の生起確率と結果の損失・利得を求めた後に、生起確率×損失・利得で期待金額を算出し(加重平均を取り)、各対応策を選んだ結果得られる損失・利得の平均値を求める。
    この平均値により意思決定を行う。
  • インタビュー
    専門家やステークホルダーにインタビューを行い、リスクの発生確率や影響度を数値化する。
    楽観値・最頻値・悲観値を求める三点見積もりが良く用いられる。
  • モンテカルロシミュレーション
    プログラムを用いてランダムな試行を統計的に信頼できる回数繰り返すことで、法則や期待結果を疑似的に導出し、未来の結果を予測したり、最良の選択肢を選びだしたりする。
     

リスクへの対応策としては、大きく分けて以下のようなものがあります。f:id:akira2kun:20180709232641j:plain