今回は、「稼働率の計算」について書きます。
情報処理技術者試験では頻出のテーマであり、また実務でもインフラ構成を考えるのに役に立つ考え方です。
いくつかの例を挙げて説明していきますが、便宜上、各機器の稼働率は0.9とします。
(稼働率…機器やシステムが稼働している時間の割合。0なら全く稼働していない。1なら常に稼働している。)
・直列構成の場合
各々の機器が全て動いている場合に全体として稼働します。
各機器の稼働率を掛け合わせることで、システム全体の稼働率を計算可能です。
この例では、以下のようになります。
機器Aが稼働、機器Bが稼働→全体として稼働
機器Aが稼働、機器Bが非稼働→全体として非稼働(機器Bで止まる)
機器Aが非稼働、機器Bが稼働→全体として非稼働(機器Aで止まる)
機器Aが非稼働、機器Bが非稼働→全体として非稼働
機器Aが稼働かつ機器Bが稼働している確率は、
0.9 * 0.9 = 0.81
となります。
・並列構成
何れかの機器が動いている場合に全体として稼働します。
各機器の非稼働率と掛け合わせた値を求め、それを1から減算することで、
システム全体の稼働率を計算可能です。
この例では、以下のようになります。
機器Aが稼働、機器Bが稼働→全体として稼働
機器Aが稼働、機器Bが非稼働→全体として稼働(機器Aのみで稼働)
機器Aが非稼働、機器Bが稼働→全体として稼働(機器Bのみで稼働)
機器Aが非稼働、機器Bが非稼働→全体として非稼働(機器Aでも機器Bでも止まる)
稼働率が0.9なので、非稼働率は 1 - 0.9 で 0.1 になります。
機器Aが非稼働かつ機器Bが非稼働の確率は
0.1 * 0.1 = 0.01
となります。
機器Aが非稼働かつ機器Bが非稼働以外であれば稼働状態なので、
1 - 0.01 = 0.99
がシステム全体の稼働率となります。
・混在している場合
細かい部分から計算していくことで、システム全体の稼働率が求まります。
この例では、点線部分の稼働率は前述の通り0.81です。
点線部分と機器Cは並列構成のため、システム全体の稼働率は
1 - ( (1 - 0.81) * (1 - 0.9) ) = 0.981
となります。
また、この例では、点線部分の稼働率は前述の通り0.99です。
点線部分と機器Cは直列構成のため、システム全体の稼働率は
0.99 * 0.9 = 0.891
となります。
----------------------
目次